このページでは,SANSUIが誇るインテグレーテッド
アンプ07シリーズの歴史を追ってみたいと思います。
最初のモデルが1976年発売ですから,すでに20年
以上の歴史を誇るこの07シリーズは,まさに名機の
系譜と言えるでしょう。
07シリーズの記念すべき第1号機です。サンスイが1976年秋にAU−707,![]()
AU−707(1976年)
Integrated Amplifier ¥93,800
AU−607の2機種を発表し,この名機の系譜はスタートしました。この初代
では,907はなく,707が最上位機でした。以下,この系譜では,最上位機
を中心に紹介していきます。
◎入力回路やNFB段にコンデンサーを使わない
DCアンプの出力段 |
◎DC〜200kHzの超ワイドレンジの特性を実現 |
◎巨大な電源部 |
●主な定格●
◆パワー部◆
実効出力 | 85W+85W(20Hz〜20kHz,8Ω,両ch駆動) |
全高調波歪率 | 0.03%(実効出力時) |
混変調歪率 | 0.03%(70Hz:70kHz=4:1,実効出力時) |
周波数特性 | DC〜200kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 115dB(IHF-Aネットワーク) |
◆プリ部◆
PHONO最大許容入力 | 320mV(1kHz,歪率0.01%) |
PHONO SN比 | 77dB(IHF-Aネットワーク) |
寸法 | 430(W)×168(H)×389(D)mm |
重量 | 16.8kg |
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AU−D907(1978年)
Integrated Amplifier ¥142,000
07シリーズ第2世代機です。ここで初めて最上位機907が登場しました。Dシリ
ーズのDは「ダイヤモンド差動回路」のイニシャルでした。「ゼロTIMへの挑戦」を
テーマに動特性の改善のためにサンスイが開発したもので,NPN-PNPトランジ
スターで構成した差動増幅回路2組をシンメトリカルに配し,それぞれを対称の入
力信号で駆動させるもので,強力なドライブ能力を持った差動回路構成で,現在
もサンスイアンプに使われています。
●主な特長●
◎各ブロック段は入力コンデンサーのないDCアンプ構成 |
◎世界初のプッシュプル入力回路,P,N-chFET採用の
MCヘッドアンプ |
◎イコライザーにもTIM歪を徹底的に改善したダイヤモンド
差動回路採用 |
◎2パワートランス(トロイダル,EI型)トータル7電源方式 |
●主な定格●
◆パワー部◆
実効出力 | 100W+100W(10Hz〜20kHz,8Ω,両ch駆動) |
全高調波歪率 | 0.008%以下(10Hz〜20kHz,実効出力時) |
周波数特性 | DC〜500kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
SN比 | 125dB以上(IHF-Aネットワーク) |
◆プリ部◆
RIAA偏差 | ±0.2dB(20Hz〜20kHz) |
PHONO最大許容入力 | 350mV(1kHz,THD0.01%) |
PHONO SN比 | 90dB以上(PHONO MM) |
寸法 | 430(W)×168(H)×428(D)mm |
重量 | 20.8kg |
1979年10月に発売されたAU−D907のLIMITEDモデルです。アンプ全体の![]()
AU−D907LIMITED(1979年)
Integrated Amplifier ¥175,000(限定発売)
非磁性化をテーマに各部に改良が加えられていました。電源部シャーシに真鍮
板を採用し,リア・パネルやシャーシに純銅のメッキを施し,コンデンサーのケース
ビスの1本に至るまでパーツを厳選し,非磁性化を追求していました。
●主な特長●
◎さらに強化された20石構成のダイヤモンド差動回路搭載の
イコライザーアンプとパワーアンプ |
◎非鉄構造のリニア高速出力素子LAPTを採用 |
◎電源部重視設計のコンプリメンタリー・プッシュプル
レギュレーテッド方式 |
◎ファーストリカバリー整流ダイオード |
◎P.N-chFET使用のMCヘッドアンプ |
◎真鍮と純銅メッキを使用したシャーシ |
◎エバニー仕上げ黒檀ウッドケース |
●主な定格
◆パワー部◆
実効出力 | 100W+100W(10Hz〜20kHz,8Ω,両ch駆動) |
全高調波歪率 | 0.008%以下(10Hz〜20kHz,実効出力時) |
周波数特性 | DC〜500kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
SN比 | 125dB以上(IHF-Aネットワーク) |
◆プリ部◆
RIAA偏差 | ±0.2dB(20Hz〜20kHz) |
PHONO最大許容入力 | 350mV(1kHz,THD0.01%) |
PHONO SN比 | 90dB以上(PHONO MM) |
寸法 | 430(W)×182(H)×432(D)mm |
重量 | 20.0kg |
サンスイが1980年に発売した「Fシリーズ」は,サンスイが苦心の末開発した![]()
AU−D907F(1980年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥168,000
スーパーフィード・フォワード・システムが搭載されていました。これは,出力に
発生する信号と全く同じ歪打ち消し信号をアンプ内部で作り出し,出力で主信
号と合成,あらゆる歪を残らずキャンセルしようとするもので,従来のNFBとの
組み合わせで実現したものでした。
このモデルからブラックパネルだけでなく,シルバーパネルのモデルも加わり
ました。
◎スーパーFF&ダイヤモンド差動回路
2つの新技術が融合した強力パワーアンプ |
◎すべてのMCカートリッジの微妙なニュアンスまで引き出す
DC構成FET入力MCヘッドアンプ |
◎出力コンデンサーを排しながら超低域の安定化を計った
ダイヤモンド差動回路搭載DCサーボOCLイコライザー |
◎L/R独立,ステージ独立,トータル6電源
サンスイの伝統が生きる強力電源部 |
◎ヒートループ採用の新しい放熱システム |
◎銅メッキシャーシ,ウッドボンネット,高速出力素子
NM LAPTなど,フラックスフリーの思想を徹底 |
●主な定格●
◆パワー部◆
実効出力 | 120W+120W(10Hz〜20kHz,8Ω,THD0.005%) |
全高調波歪率 | 0.005%以下(10Hz〜20kHz,実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±250V/μs |
ライズタイム | 0.8μs |
◆イコライザーアンプ部◆
RIAA偏差 | ±0.2dB(20Hz〜20kHz) |
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)200mV
(MC)26mV(Low) |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO-1,2 MM)
74dB以上(PHONO-1,2 MC Low) 110dB以上(TUNER AUX,TAPE PLAY-1,2) |
定格消費電力 | 320W(電気用品取締法) |
寸法 | 445(W)×163(H)×443(D)mm |
重量 | 17.5kg |
1981年に発売された「Fシリーズ」の改良モデルです。「スーパーFF」のエラー![]()
AU−D907FEXTRA(1981年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥175,000
コレクションアンプにMOS-FETを採用して低歪みを追求し,MCカートリッジに
対してMCヘッドアンプから専用トランスの搭載,ハイスピードαコンデンサー使
用の強力電源部,マグネティック・ディストーション対策の徹底化の改良が施さ
れていました。
◎完成の域まで達したスーパーFF&ダイヤモンド差動回路搭載
理想に近づいた強力パワーアンプ |
◎アンプ技術とトランス技術が融合した
新開発リニアステップMCトランス |
◎CIコアによる大型電源トランス,新開発αコンデンサーにより
さらに強化されたL/R独立,ステージ独立, トータル5電源の電源部 |
◎DC領域まで高安定なダイヤモンド差動回路搭載
DCサーボOCLイコライザー |
◎銅メッキシャーシ,ヒートループ,NM素子による,素材,
コンストラクション両面からのマグネティックディストーション の全面排除 |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 130W+130W(10Hz〜20kHz,8Ω,THD0.003%) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±250V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆イコライザーアンプ部◆
RIAA偏差 | ±0.2dB(20Hz〜300kHz) |
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)200mV
(MC)25mV(Low) Trans方式 |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO-1,2 MM)
75dB以上(PHONO-1,2 MC Low) 110dB以上(TUNER AUX,TAPE PLAY-1,2) |
定格消費電力 | 320W(電気用品取締法) |
寸法 | 460(W)×160(H)×444(D)mm |
重量 | 17.7kg |
1983年に発売されたGシリーズの「G」は,「グラウンド・フローティング回路」の![]()
AU−D907GEXTRA(1983年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥178,000
イニシャルで,アース系の改良が特徴でした。アース系を通じての歪みを追放す
るために,出力アンプ,電源,スピーカーをすべてクローズドループとしたこと,電
源部をフローティング電源としてアース回路と切り離したこと,電源回路の構成は
電源トランス巻線をプラス電源用とマイナス電源用に独立させ,それぞれを2組の
ブリッジで整流する構成としたことの3つを総称して「グラウンド・フローティング回
路」と呼んでいました。
また,このモデルから,AUX入力にDAの表示がつきました。デジタル時代を象徴
的に感じさせました。
●主な特長●
◎現代アンプに残された課題"アース回路”を根底から見直した
グラウンド・フローティング回路 |
◎ハイグレード・パーマロイコア採用の新開発リニアステップ
MCトランスと最適ロード |
◎信号系の歪の発生を限りなくゼロとするスーパーFF&
ダイヤモンド差動回路搭載パワーアンプ |
◎超ワイドレンジ,高速応答性のダイヤモンド差動回路搭載の
DCサーボOCLイコライザー |
◎マグネティック・ディストーションを根本的に排除した素材と
理想のコンストラクション |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 130W+130W(10Hz〜20kHz,8Ω,THD0.003%) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±250V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆イコライザーアンプ部◆
RIAA偏差 | ±0.2dB(20Hz〜300kHz) |
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)200mV
(MC)25mV(Low) Trans方式 |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO-1,2 MM)
81dB以上(PHONO-1,2 MC 70μV) 110dB以上(TUNER AUX/DA,TAPE/PCM PLAY-1,2) |
定格消費電力 | 320W(電気用品取締法) |
寸法 | 460(W)×160(H)×444(D)mm |
重量 | 18.0kg |
1984年に発売された「Xシリーズ」は,大きく回路構成が変わり,バランスアンプ![]()
AU−D907X(1984年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥189,000
構成を特徴としていました。入力から出力,電源部やフィードバックまでのすべて
をバランス構成とし,4アンプ・ドライブによってスピーカーに対する強力な制動力
を持つことになりました。この「Xバランスアンプ」はそれ以降のSANSUIアンプの
大きな特徴となりました。
◎Xバランス・アンプは今までのアンプが
宿命的に抱えていた諸問題のすべてをクリアー |
◎6つのキー・テクノロジーが結合して
Xバランスアンプは生まれた |
◎低インピーダンス・ドライブ能力を
大幅アップさせたXバランスアンプ |
◎高性能・大型のトライダルトランスと
大型コンデンサーに支えられる強力電源部 |
◎ピュアな伝送・増幅をあらゆるプログラムソースに
活かす考えぬかれた入力系 |
◎ダイヤモンド差動回路のHi-Precisionイコライザー |
◎振動,歪の徹底追放が求めた
高性能パーツとコンストラクション |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 180W+180W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) 250W+250W(10Hz〜20kHz,4Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±300V/μs(6Ω) |
ライズタイム | 0.5μs |
◆イコライザーアンプ部◆
RIAA偏差 | ±0.2dB(20Hz〜300kHz) |
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)300mV
(MC)35mV(Low) Trans方式 |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB(PHONO MM)
80dB以上(PHONO MC 100μV) 110dB(CD,TUNER,TAPE) |
定格消費電力 | 370W(電気用品取締法) |
寸法 | 466(W)×161(H)×431(D)mm |
重量 | 20.5kg |
AU−D907XDECADE(1985年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥193,0001985年,07シリーズが10周年を迎えた記念すべき年のモデルです。「Xバラン
ス・アンプ」は「ツインダイヤモンド・Xバランス・アンプ」となり,電源部が大幅に強
化されスピーカードライブ能力のアップが図られました。電源トランスは10.7Kg
もの超重量級となり,プリドライブ部,パワー部,L/R独立のバランス電源方式の
強力な電源部でした。そのため,本体重量も大きくアップし,本格的重量級アンプ
となりました。
◎「バランス構成」を入力から出力までの信号系,電源回路
NFB回路に至るまで採用したインダイヤモンドXバランスアンプ |
◎+側,−側対等なバランス・ドライブでスピーカーを正確に駆動 |
◎10.7kgの超重量級電源トランスと大型コンデンサーに支えられる
強力電源部 |
◎L,R2個による本格的高性能MCトランス |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±300V/μs(6Ω) |
ライズタイム | 0.5μs |
◆イコライザーアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)300mV
(MC)35mV(Trans HIGH) |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB(PHONO MM)
80dB(PHONO MC) 110dB(CD,TUNER,TAPE) |
定格消費電力 | 370W(電気用品取締法) |
寸法 | 466(W)×161(H)×431(D)mm |
重量 | 26.0kg |
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AU-α907(1986年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥198,000
型番に初めてαがついた07シリーズは1986年発売でした。パネルフェイスが光沢の
ある黒になり(グロッシー・ブラックと称していた。)質実剛健な感じのデザインに少し高
級感が加わりました。コンストラクションも大きく変化していたようです。バランス回路は
「α-Xバランスサーキット」となり,キャノンケーブルによるバランス入力端子を備えるよ
うになりました。「ソースダイレクト」と呼ぶこの端子は,もう1系統PIN入力によるアンバ
ランス入力もありました。また,構造体の改良が施され,「ソリッドシャーシ」というシール
ドを内部に巡らせた全体構造や,電源部を中央に置き,パワー部をはじめ内部構造を左
右対称にした「ツイン・モノラル・コンストラクション」を採用していました。CF5インシュレ
ーターと称して,底部が5点支持となって耐振性を高めていました。さらにボンネットの取
り付けもCF12ボンネットと称していて,大型のネジによる12点留めで剛性を高めていま
した。伝統の強力電源部もあり,重量は28.0kgにも達していました。また,資料による
とこのシリーズでは,AU-α307というモデルもあったようです。
●主な特長●
◎デジタル時代のピュア伝送・増幅を実現する
α-Xバランスサーキット |
◎サンスイ伝統のアンプテクノロジーが光る
超重量級α-Xバランス電源 |
◎専用開発した6連マスターボリューム搭載の
パワーアンプダイレクト |
◎アンプ全体の剛性を高めノイズからも守る
ソリッドシャーシ |
◎すべてのソースをα-Xバランス伝送
この思想から生まれたソース・ダイレクト |
◎荷重の黄金分割の役割をする
サンスイ独自のCF5インシュレーター |
◎アナログディスクの対応も充分に考えた
ディスクリート・フォノイコライザー |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
スルーレイト | ±200V/μs(6Ω) |
ライズタイム | 0.5μs |
◆イコライザー部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
88dB以上(PHONO MM)
70dB以上(PHONO MC) 110dB以上(TUNER,LINE,CD) 110dB以上(TAPE PLAY/DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 370W(電気用品取締法) |
寸法 | 448(W)×160(H)×441(D)mm |
重量 | 28.0kg |
AU-α907の改良モデルとして,1987年に発売されました。各部の部品等ブラ![]()
AU−α907i(1987年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥198,000
ッシュアップが行われていましたが,最も大きなものはボリュームの改良だったよ
うです。このモデルでは,高精度ディテント型6連ボリュームを搭載し,実使用上の
SN比が大きく向上していました。また,「ツイン・レギュレーターシステム」と称して
イコライザー部,プリ部にもローカルレギュレーターを搭載し,電源部の改良・強化が
行われて音質の向上が図られていました。サンスイの地道で確実な歩みがよく表
れています。
◎デジタルオーディオ時代の純粋音楽回路
α-Xバランス・サーキット |
◎超大型電源トランスを搭載
パワフル&サイレントなバランス電源部 |
◎イコライザー部,プリ部の電源部に,
ツイン・レギュレーターシステムを採用 |
◎音像定位と振動排除能力に優れた,
最適なツイン・モノラル・コンストラクション |
◎振動・ノイズの干渉を徹底排除
ソリッド$アンチフラックス・シャーシ |
◎実装SN比を向上
高精度6連ボリュームを採用 |
◎アナログ・ディスクの音楽性にも着目
ディスクリート構成のイコライザー部 |
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 310W(6Ω),390W(4Ω),580W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)250mV
(MC)25mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE PLAY/DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 448(W)×160(H)×441(D)mm |
重量 | 28.0kg |
AU-α907iMOS LIMITED
(1987年)
REFERENCE AMPLIFIER ¥260,000サンスイが1987年,創立40周年記念限定モデルとして発売したモデルです。
AU-α907iをベースに出力段にパワーMOS FETを採用し,各部に高精度な
専用部品を採用したカスタムモデルでした。音の方もMOS FETの良さを発揮し
上級のAU-X111MOS VINTAGEにせまるほどでした。
◎限定モデルにふさわしい,最高級ディバイス
パワーMOS FETを採用 |
◎デジタル時代を予見したサンスイ独自の
理想伝送・増幅方式α-Xバランス・サーキット |
◎パワフル&クリーンなエネルギーを供給する
バランス電源部とツイン・レギュレーター |
◎α-Xバランスサーキットがもたらす
理想のスピーカー・ドライブ |
◎バランス出力を持つソースをα-Xバランス
・パワー部に直結するパワーアンプ・ダイレクト |
◎すべての入力ソースの鮮度をそのまま忠実に
α-Xバランス伝送・増幅するソース・ダイレクト |
◎独自のバランス電源部には新開発の
超大型電源トランスとカスタム電解コンデンサーを採用 |
◎信号経路の最適化を追求し,ノイズ対策を
徹底した音質優先のコンストラクション |
◎振動およびノイズの干渉を徹底的に追放した
高剛性ソリッド&アンチフラックス・シャーシ |
◎無振動,無共振化をあらゆる部分で徹底追及 |
◎1000を超えるパーツの一点一点に至るまで
厳密な音質追及を行い厳選した素材を使用 |
◎実装SN比を飛躍的に向上させた高精度
ディテント型6連マスター・ボリューム採用 |
◎あくまでも音楽の再生を目的とする最高級機に
ふさわしい品位と格調の高いデザイン |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 100W+100W(10Hz〜20kHz,6Ω)
80W+80W (10Hz〜20kHz,8Ω) |
全高調波歪率 | 0.01%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)250mV
(MC)25mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE PLAY/DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 260W(電気用品取締法) |
寸法 | 472(W)×161.5(H)×441(D)mm |
重量 | 31kg |
AU-α07EXTRAシリーズはAU-α07iシリーズの改良モデルとして1988年に![]()
AU-α707EXTRA
(1988年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥138,000
発売になりました。このシリーズでは、AU-α907EXTRAというモデルはなかった
ため,AU-α707EXTRAを取り上げます。
基本的には前シリーズからの大きな変化はありませんでしたが,サンスイ自慢の
「ダイヤモンド差動回路」が初段のFETをカスケード接続した「NEWダイヤモンド差
動回路」となり,部品等の面でも細かな点からブラッシュアップが図られていたよう
です。
◎NEWダイヤモンド差動回路により,
純を極めたα-Xバランスサーキット |
◎比類なきハイクオリティの装い
ツイン・モノラル・コンストラクション |
◎高純度音楽再生の証明
バランス入力,パワーアンプ・ダイレクト |
◎ハイグレードを支えるバックボーン
強力バランス電源部 |
◎ひとつひとつの部品から吟味
新開発のクオリティパーツ |
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 160W+160W(10Hz〜20kHz,6Ω)
130W+130W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 210W(6Ω),320W(4Ω),405W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
88dB以上(PHONO MM)
70dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE PLAY/DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 330W(電気用品取締法) |
寸法 | 430(W)×163(H)×450(D)mm |
重量 | 21.0kg |
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AU-α907L EXTRA
(1989年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥250,000
1989年登場の11世代目のモデルです。主な改良点は,型番の「L」に象徴され
るように,パワー部のトランジスターとしてNM-LAPTが搭載されたことです。
LAPTは,1979年のAU-D907LIMITEDに初めて搭載されたマルチエミッタ構
造の高速出力素子ですが,本機ではNM(ノン・マグネティスク)の頭文字から分か
るように,各部に純銅材を使用し,徹底的に磁気成分を排除したオーディオ専用の
素子でした。パーツの改良,構造体の改良も進められ,特に制振材として純銅を各
部に贅沢に使用していました。電源部もトランス,コンデンサーなどのパーツから,
さらに強化されていました。
◎音楽を奏でるためだけに生まれてきた
LAPT(Linear Amplification Power Transistor) |
◎超大型・高密度を追求したカスタムメイド,
パワフル&クリーンを極めた独自のバランス電源 |
◎ツイン・モノラル・コンストラクションをベースに,
純銅製振動アイソレーションパーツを贅沢に採用 |
◎各種クオリティパーツも907L用にリファイン |
◎ディスクリート構成のフォノイコライザー部 |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 310W(6Ω) 390W(4Ω) 580W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)250mV
(MC)25mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE PLAY/DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 472(W)×164(H)×450(D)mm |
重量 | 33.0kg |
![]()
AU-α907DR(1990年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥250,000
このAU-α907DRは、1990年に発売されました。シリーズの707及び607の
発売は翌年でした。DRシリーズの「DR」は「デジタル・リファレンス」の略でした。
主な改良点の第一は、「α-Xバランス回路」が「アドバンスドα-Xバランス回路」
になり、回路の低インピーダンス化を徹底し、通過信号への影響を抑えることで、
動的な周波数特性を向上させたことでした。パワー段の素子にはNM-LAPTが使
用されていました。第二には、「アイソレーティッド・メカニカル。フィードバック」と称
する振動・共振対策の徹底化でした。従来のトランスとシャーシの間の制振だけで
なく、マスターボリュームとシャーシの間、パワートランジスターと放熱器の間など
に、純銅製のアイソレーションパーツを豊富に採用していました。
◎音楽専用デバイスNM-LAPTを搭載した
アドバンスドα-Xバランス回路 |
◎4重シールド、高密度充填材封入、総重量13kgの
大型トランスによるNEW α-Xバランス電源 |
◎強化ツイン・モノラル・コンストラクションにより
セットの最適重量バランスを確保 |
◎純銅製制振パーツをふんだんに使用した
アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック |
◎バランス/ノーマル入力を装備した高密度再生の
ためのパワーアンプ・ダイレクト入力 |
◎アナログディスク再生能力を高めた
フォノイコライザー部 |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 310W(6Ω) 390W(4Ω) 580W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)250mV
(MC)25mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE /DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 460(W)×159(H)×446(D)mm |
重量 | 33.0kg |
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AU-α607MOS PREMIUM
(1991年 限定モデル)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥138,000
1991年に,607誕生15周年記念限定モデルとして発売された607のスペシャル
モデルでした。「アドバンスドα-Xバランス回路」を搭載した607DRをベースにして
パワー段にMOS FETを採用し,「NEW α-Xバランス電源」,「強化ツイン・モノラ
ル・コンストラクション」,「アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック」など主な回路
機構を607DRから踏襲した作りとなっていました。純銅製制振パーツをはじめ,電源
トランスM電解コンデンサーなど各パーツは,新規開発の高性能品や上級機の907DR
並の高性能品を用い,まさにスペシャルモデルでした。
●主な特長●
◎パワーMOS FETの特性を最大限に活かす
アドバンスドα-Xバランス回路。
◎プレミアム仕様のパワートランスおよび電解
コンデンサーを採用したNEW α-Xバランス電源。
◎電源系・信号系で発生する振動を抑え
音質の劣化を防ぐ強化ツイン・モノラル・コンストラクション。
◎純銅材や特殊部品で音楽信号の純度を守る
アイソレーテッド・メカニカル・フィードバック。
◎プレミアムモデルのために厳選した
NEWトップクオリティパーツ。
◎バランス/ノーマル端子を装備したピュア伝送・増幅の
ためのパワーアンプ・ダイレクト入力。
◎全てのライン入力信号をパワーアンプにダイレクトに
伝送するソースパワーダイレクト。
◎デジタルソースの録音がフレキシブルに行える
レックセレクター。
◎アナログディスクの高音質再生が可能な
高性能フォノイコライザー。
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 55W+55W(10Hz〜20kHz,6Ω)
45W+45W(10Hz〜20kHz,8Ω)ダイナミックパワー 70W(6Ω) 85W(4Ω) 90W(2Ω) 全高調波歪率 0.008%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) 周波数特性 DC〜300kHz(+0dB,−3dB) SN比 120dB(Aネットワーク) スルーレイト ±180V/μs ライズタイム 0.6μs ◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%)(MM)210mV
(MC)21mVSN比
(Aネットワーク,ショートサーキット)88dB以上(PHONO MM)
70dB以上(PHONO MC)
110dB以上(CD,TUNER,LINE)
110dB以上(TAPE /DAT-1,2,3)定格消費電力 160W(電気用品取締法) 寸法 460(W)×159(H)×446(D)mm 重量 18.8kg
1992年発売のKXシリーズは,07シリーズとして初めてゴールドパネルを採用し,![]()
AU-α907KX(1992年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥270,000
外観のイメージが大きく変わりました。「NM-LAPT搭載アドバンスドα-Xバランス
回路」,「NEW α-Xバランス電源」,「強化ツイン・モノラル・コンストラクション」,「ア
イソレーティッド・メカニカル・フィードバック」など主な回路,機構を踏襲し,パーツ,イ
ンシュレーターなどの改良でより高音質化が図られました。金メッキリード抵抗、金
メッキリードフィルムコンデンサーなどVINTAGEシリーズの開発で得られたパーツを
採用していました。また、純銅製制振パーツやテフロン材を随所に使用していました。
◎音楽信号のみを純粋伝送・増幅する
NM-LAPT搭載アドバンスドα-Xバランス回路 |
◎ダイナミックなデジタルサウンドに対応する
ワイドレンジDCアンプ構成 |
◎大電流を瞬時に供給し、優れた動作特性を実現する
NEWダイヤモンド差動回路 |
◎給電能力と安定度を向上させた
クローズドループ構成のNEW α-Xバランス電源 |
◎電源系・信号系の振動を抑え高音質を確保する
強化ツイン・モノラル・コンストラクション |
◎テフロンや純銅材により振動の伝達を制御・遮断
アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック |
◎金メッキリードの抵抗やコンデンサーなど
ピュア再生のために厳選を重ねた NEWトップ・クオリティパーツ |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 310W(6Ω) 390W(4Ω) 580W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE /DAT-1,2,3) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 460(W)×161(H)×446(D)mm |
重量 | 33.0kg |
XRシリーズでは新たに「HYPERα-Xバランス回路」が搭載されました。これは,![]()
AU-α907XR(1993年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥278,000
従来のバランス回路に加え,パワーアンプとプリアンプの初段に高CMRR型定電
流回路を導入し,電流のばらつきを整え,回路内で発生する動的ノイズを抑えるも
のでした。さらに,脚部には,新開発の純銅製のオリジナル楕円インシュレーター
を採用していました。また,このシリーズから907のみトーンコントロールが省かれ
ていました。そのため,デザイン的にもイメージが変わりました。
◎素子の非対称により発生した歪を徹底排除する
新回路方式「HYPER α-Xバランス回路」 |
◎優れた応答性と大電流供給を実現した
DCアンプ対応のNEWダイヤモンド差動回路 |
◎カスタムパーツにより音質への影響を抑えた
NEW α-Xバランス電源 |
◎高音質再生のために電源系・信号系の振動を防ぐ
強化ツイン・モノラル・コンストラクション |
◎テフロンや純銅材を駆使して振動対策を施した
アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック |
◎ハイエンド・モデルに匹敵する音楽再生のための
NEWトップクオリティパーツ |
◎振動減衰特性に優れた
特殊構造の新開発インシュレーター |
◎シンプル&ストレートの理想的な伝送を目指して
あえてトーン・コントロールを排除 |
◎高純度伝送・増幅を実現するバランス/ノーマル
入力端子装備のパワーアンプ・ダイレクト入力 |
◎アナログの魅力を発揮させる
MC・MMカートリッジ対応フォノイコライザー部 |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 310W(6Ω) 390W(4Ω) 580W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE /DAT-1,2) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 466(W)×163(H)×452(D)mm |
重量 | 33.0kg |
INTEGRATED AMPLIFIER ¥410,0000![]()
AU-α907LIMITED
(1994年・限定生産)
1994年に発売されたAU-α907XRのリミテッドモデル。リミテッドモデルとして
はAU-D907LIMITED,AU-α907iMOS LIMITEDに次いで3台目にあたり
ます。AU-α907XRとデザイン的にはよく似ていますが,中身は別物で,高級セ
パレートアンプ並のものすごいものでした。パワー段の基板にはテフロン基板を使
用し,スピーカーターミナルには,ドイツWBT社製のOFC合金24金硬化メッキを
施した超高精度ダブルポール型を搭載。さらに、電源の電解コンデンサーをジョイ
ントするパスバーに純度6N銅帯を採用するなど凝りに凝ったもので,この価格で
コストに合うのかというほどの中身でした。その他,ピンジャックはすべて削り出し
の専用品,底板は純銅板,アルミのトップパネルにウッドのサイドパネルというよう
に構造体もかなり違っていて,非常に高級なつくりでした。また,回路構成はXRシ
リーズと同じ「HYPERα-Xバランス回路」を採用していましたが,パワー素子には
当時,市場では生産中止になっていた旧モデルのMOS FETをあえて採用し,
MOS FETならではの音を楽しませてくれました。
◎MOS FET搭載HYPER α-Xバランス回路 |
◎テフロン基板 |
◎6N銅帯 |
◎ドイツWBTスピーカー端子 |
◎金メッキ純銅楕円インシュレーター |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 100W+100W(10Hz〜20kHz,6Ω)
80W+80W (10Hz〜20kHz,8Ω) |
全高調波歪率 | 0.01%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE PLAY/DAT-1,2) |
定格消費電力 | 280W(電気用品取締法) |
寸法 | 466(W)×166(H)×453(D)mm |
重量 | 34.0kg |
1995年に発売されたMRシリーズでは,伝統の「Xバランスアンプ方式」がさらに![]()
AU-α907MR(1995年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥295,000
改良され,「NEW HYPER α-Xバランス回路」が搭載されました。これは,ドラ
イバー段に新開発の上下対称バランス形定電流回路を採用することによって回路
内部で発生する動的なノイズを除去するというものでした。また,振動による音の
濁りを防止する「アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック」の対策を徹底化し電
源コンデンサーにもカスタム品を使用していました。出力素子は、オーディオ専用の
NM-LAPTを使用し,脚部は,本革使用の純銅製楕円インシュレーターを採用して
いました。前モデルで省略されていたトーンコントロールは,また復活していました。
◎NM LAPT搭載、NEW HYPER α-Xバランス回路 |
◎アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック |
◎純銅楕円インシュレーター |
◎WBT社と共同開発のスピーカーターミナル |
◎ツイン・モノラル・コンストラクション |
◎バランス。CDダイレクト、LINEダイレクト3系統の
パワーアンプ・ダイレクト端子 |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE /DAT-1,2) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 471(W)×163(H)×452(D)mm |
重量 | 33.0kg |
![]()
AU-07
ANNIVERSARY MODEL
(1996年)
INTEGRATED AMPLIFIER ¥450,000
1996年,07シリーズの20周年記念モデルとして発売されたのが,この
AU-07 Anniversary Modelです。伝統のバランスアンプ回路として,
「ADVANCED HYPERα-Xバランス回路」を搭載していました。これは,
パワー段,上下対称ドライバー段ともクローズドループとして動作の安定性
と回路内部の動的歪の低減を図ったものです。また、パワー素子としてサ
ンスイ自慢のNM-LAPTを採用していました。
電源部は、アースから完全独立させたクローズドループ構成の「ADVANC
-EDα-Xバランス電源」としていました。さらに、高級セパレートアンプでも
例の少ないテフロン基板を採用していました。その他、コンストラクション,
パーツの面からもサンスイ07シリーズの集大成として,強化ツイン・モノラ
ル・コンストラクション,アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック,金メッ
キリードのパーツ、金メッキ純銅楕円インシュレーター、WBT社製OFC合
金・24カラット硬化金メッキ端子など伝統の技術を磨き上げ搭載していま
した。
●主な特長●
◎ADVANCED HYPERα-Xバランス回路 |
◎ADVANCEDα-Xバランス電源 |
◎テフロン基板 |
◎強化ツイン・モノラル・コンストラクション |
◎アイソレーティッド・メカニカル・フィードバック |
◎高音質NEWトップクオリティパーツ |
◎金メッキ純銅楕円インシュレーター |
◎WBT(金メッキ・スピーカー端子/入力端子) |
◎楽器用天然銘木無垢材使用のサイドウッド |
◎アルミボンネット/アルミフロントパネル |
◎オール金メッキ入出力端子 |
◎高音質特殊カーブマスターボリューム |
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 110W+110W(10Hz〜20kHz,6Ω)
90W+90W (10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 180W(2Ω),140W(4Ω),110W(6Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上(TAPE /DAT-1,2) |
定格消費電力 | 280W(電気用品取締法) |
寸法 | 471(W)×164(H)×453(D)mm |
重量 | 34.0kg |
1998年、NRAシリーズが発売になりました。ボリュームノブの位置が右寄りにな![]()
AU-α907NRA
(1998年)
Integrated Amplifier ¥300,000
り,デザインも一新されました。バランスアンプ回路は「Ultimate α-Xバランス回
路」となりました。これは,ドライバー段の電流マージンを従来の2倍に高めAクラス
動作とすることによって、理想的な動作を求めたものです。NM-LAPTシングルプッ
シュプル方式のL・R、+・−の計4つのアンプでスピーカーをドライブするサンスイ伝
統の理想的なバランスアンプ構成となっていました。電源部は,アースから完全独
立の伝統のバランス電源「NEW α-Xバランス電源」、パーツも厳選されたものを
使用していました。また、振動の原因となる電源トランスは、シャーシから完全にフ
ローティングして取り付けられ、シャーシに振動を伝えない構造になっていました。
放熱器も共振。共鳴による歪を抑えるため、従来のフィン形からチムニー形に変え
られていました。ボディー構造も新形状の銅粉入りの3分割ボンネットに純銅板を
埋め込んだサイドウッドをフローティング取り付けする新構造になり,振動により強
いものになりました。このため,全体のデザインもかなり印象が変わりました。
●主な特長●
◎入力からドライバー段、ファイナルステージまで
伝送・増幅過程の全てで絶対的動作環境を実現する 新開発Ultimate α-Xバランス回路 |
◎クルーズドループ構成とカスタムパーツで
音質への悪影響を抑えたNEW α-Xバランス電源 |
◎メカニカルフローティング方式で電源系の
振動をシャットアウト |
◎音楽信号による共振や共鳴を極少に抑え
干渉による歪を制御する新形状の放熱器を採用 |
◎新形状3分割ボンネットとサイドウッドにより
ボディの振動と鳴きを制御 |
◎WBTスピーカーターミナルをはじめ
厳選された最新の高品位パーツ |
◎ハイエンドモデル用・非鉄構造の最高峰NM-LAPT搭載 |
◎バランス/CD/LINE対応のパワーアンプダイレクト入力 |
◎MC・MMカートリッジ対応フォノイコライザー部 |
◎トーンの微妙な調整が自在の
低歪・高音質トーンコントロール |
◆パワーアンプ部◆
実効出力 | 190W+190W(10Hz〜20kHz,6Ω)
160W+160W(10Hz〜20kHz,8Ω) |
ダイナミックパワー | 310W(6Ω) 390W(4Ω) 580W(2Ω) |
全高調波歪率 | 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) |
周波数特性 | DC〜300kHz(+0dB,−3dB) |
SN比 | 120dB(Aネットワーク) |
スルーレイト | ±200V/μs |
ライズタイム | 0.5μs |
◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%) |
(MM)210mV
(MC)21mV |
SN比
(Aネットワーク,ショートサーキット) |
90dB以上(PHONO MM)
75dB以上(PHONO MC) 110dB以上(CD,TUNER,LINE) 110dB以上( MD/TAPE-1,TAPE2) |
定格消費電力 | 400W(電気用品取締法) |
寸法 | 462(W)×165(H)×448(D)mm |
重量 | 33.0kg |
1998年に発売されたNRAシリーズのうち607NRAだけは翌年の1999年にNRAU![]()
AU-α607NRAU
(1999年)
Integrated Amplifier ¥119,000
にモデルチェンジされました。筐体,基本回路等は同一で,改良点は電源部の強化でし
た。新たに,ファイナル段にスピーカードライブ専用のEIコアトランスを左右独立電源方式
で搭載し,プリドライブ段にトロイダルトランスを搭載した独立2トランス方式としてファイナ
ル段への安定した電源供給を実現していました。
●主な特長●
◎パワーアンプの出力段(ファイナル段)に
スピーカードライブ 専用のEIコアトランスを用い,
左右独立電源方式を新開発。
◎プリドライブ段,ラインアンプ,イコライザーアンプ
専用電源, 新開発トロイダルトランスを採用。
プリドライブ段は リップルフィルタ回路により
極めて安定した電源に進化。
◎4アンプ構成でダイナミックなスピーカードライブを
実現するサンスイ独自のUltimateα-Xバランス回路。
◎優れた応答性と大電流供給を実現する
DCアンプ対応NEWダイヤモンド差動回路
◎オーディオ用バイポーラトランジスターの最高峰
NM-LAPTをパワーデバイスに採用。
◎理想的な重量バランスで振動を抑える筐体設計,
強化ツインモノコンストラクション。
◎新開発の電源ブロックコンデンサーを搭載した
完全分離独立型クローズドループ構成の
NEWα-Xバランス電源。
◎電源系の振動をシャーシに伝えないための
メカニカルフローティング方式。
◎パワートランジスタによる共振作用を効果的に抑え
干渉による歪を制御する新形状放熱器
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 100W+100W(10Hz〜20kHz,6Ω)
80W+80W(10Hz〜20kHz,8Ω)ダイナミックパワー 150W(6Ω) 210W(4Ω) 310W(2Ω) 全高調波歪率 0.003%以下(10Hz〜20kHz,8Ω 実効出力時) 周波数特性 DC〜300kHz(+0dB,−3dB) SN比 120dB(Aネットワーク) スルーレイト ±180V/μs ライズタイム 0.6μs ◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%)(MM)210mV
(MC)21mVSN比
(Aネットワーク,ショートサーキット)88dB以上(PHONO MM)
70dB以上(PHONO MC)
110dB以上(CD,TUNER,LINE)
110dB以上( MD/TAPE-1,TAPE2)定格消費電力 230W(電気用品取締法) 寸法 432(W)×165(H)×450(D)mm 重量 19.0kg
![]()
AU-α607MOS Limited
(1999年)
Super Audio Amplifier ¥180,000
(1000台限定生産)1999年,サンスイに在庫されていた旧型MOS FETを増幅段に搭載した607
のナンバーの限定モデルとして発売されました。パワー段は,NRAシリーズと同
じ「Ultimate α-Xバランス回路」を採用し,そこに旧型MOSならではの音を加え
た究極の607として登場しました。電源部は従来の約2倍の2次巻線電流を持つ
新開発の大型・重量級トランスを搭載し,電源ブロックコンデンサーもパワーアンプ
B-2105MOS VINTAGEと同じタイプを搭載し,強力な電源部としていました。
リミテッドモデルらしい風格を備えた逸品でした。残念ながら07シリーズの最後を
飾るであろう名機となってしまいました。
●主な特長●
◎パワーMOS FETへのこだわり。
607MOS Limitedには,サンスイの
ハイエンドモデルで実績のある高速出力
素子を搭載。
◎最強力電源部の607MOS Limited。
電流動作アンプにとっての最適動作環境を
実現。
◎現代型スピーカーの特性を見極め,
瞬時大電流応答により驚異的なスピーカー
ドライブ能力を発揮。
◎入力から出力までの伝送・増幅経路で
理想的な動作環境を実現する。
Ultimate α-Xバランス回路方式が生み出す
究極の音質性能。
◎最適重量バランスの強化ツイン・モノラル・
コンストラクションが卓越した音場定位を実現。
◎音の空気感まで克明に再現。
内部パーツから外装パーツまで,
万全の振動対策で,微少信号レベルまでカバー。
●主な定格●
◆パワーアンプ部◆
実効出力 75W+75W(10Hz〜20kHz,6Ω)
50W+50W(10Hz〜20kHz,8Ω)ダイナミックパワー 75W(6Ω) 95W(4Ω) 100W(2Ω) 全高調波歪率 0.008%以下(8Ω 実効出力時) 周波数特性 DC〜300kHz(+0dB,−3dB) SN比 120dB(Aネットワーク) スルーレイト ±180V/μs ライズタイム 0.6μs ◆プリアンプ部◆
PHONO最大許容入力
(1kHz,THD0.01%)(MM)210mV
(MC)21mVSN比
(Aネットワーク,ショートサーキット)88dB以上(PHONO MM)
70dB以上(PHONO MC)
110dB以上(CD,TUNER,LINE)
110dB以上( MD/TAPE-1,TAPE2)定格消費電力 170W(電気用品取締法) 寸法 466(W)×162(H)×452(D)mm 重量 22.5kg
サンスイの07シリーズの歴史をこうしてたどってみると
時代に先駆けた技術を次々に導入し、着実に進歩をと
げていることが実感させられます。プリメインアンプとい
う枠を超えて、音の良いアンプを目指しての歩みがここ
にはあるように思います。残念ながらサンスイのこの歩
みは終わりを告げてしまいましたが,永く記憶に残る
名機の系譜はぜひ残しておきたいと思っています。
この07シリーズのページは、資料収集・整理に困難を
極めました。まだまだ不完全なところが多くありますの
で、ご意見をお寄せください。参考資料がもしあれば、
ご協力いただけるとうれしいです。
現在もご使用中の方,また,かつて使っていた方。あるいは,思い出や印象のある方
そのほか,ご意見ご感想などをお寄せください。